この記事でわかること
- 過去10年分の合格率をチェック
- 宅建の難易度を解説
- 最近の傾向がわかる
これから宅建士を目指す方に向けて、毎年の合格率から最近の傾向までお伝えします。
私は宅建士をしていますが、他にも複数の資格をもっています。
資格慣れしている私からみると、宅建士の難易度は「需要があるわりに取りやすいおすすめの資格」です。
難易度を独自の視点から解説します。
宅建士の平均合格率と推移
- 宅建士の合格率の推移
- 宅建士の平均合格率は16.3%
- 受験者は増加傾向
まずは宅建士の推移データからご覧ください。
合格率の推移

過去11年間の試験データは上記のとおりです。
合格率の最低は13.1%、最高は17.9%でした。
合格率に大きな差がないのが、宅建試験の特徴です。
平均合格率は16.3%
過去11年分の平均合格率は16.3%でした。
宅建の合格率は毎年とても安定しています。
なぜ合格率が安定しているのかというと、合否の評価方法によるものです。
宅建は試験後に、上位15~16%ほどが合格できるように合格点が決定します。
このように全体の割合から合格点を決めるので、合格率が安定させられるわけです。

受験者は増加傾向
受験者は5年ほど前から毎年20万人を超えるようになり、ほぼ順調な右肩上がりです。
コロナの影響で令和2年度は一時的に落ち込んでしまったものの、その後は回復して増加が続いています。
受験者の増加の背景は?
近年の不動産市場の好景気により、宅建業者が増加しているためです。
2013年の東京オリンピック開催決定以降、不動産市場の景気が良くなり宅建業者が増加しました。
不動産業界に人材が増えたことにより、宅建士の受験者にも影響を与える結果となりました。
宅建士が増えることは良いこと?
A.近年の傾向で考えるなら、宅建士が増えることは良いことです。
日本は現在、少子化が進んでいるため日本全体で見たときに、宅建士が増えると希少価値がなくなってしまうように思います。
ですが、日本全体で見るのではなく、不動産業界で見たときのバランスで考えるべきでしょう。
不動産業界が好調だからこそ宅建士が必要とされています。
好調が続いているうちは、宅建士が増えても問題ありません。
宅建士の難易度はどのくらい?
年に1度の試験で合格率が16%ほどだと、相当難しいのでは?と不安に思いますよね。
どのくらいの難易度なのか、このような角度からみていきます。
- 合格するには上位15%以内に入ること
- 難易度は上昇傾向
- 勉強時間
- 人気の国家資格と比較
合格するには上位15%以内に入ること
宅建の試験は、上位15~16%の受験者が合格できるように合格点が試験後に決まります。
つまり、問題の難易度はさほど合否に関係がなく、受験者の中で上位15%以内に入れるかどうかが重要です。
そのため、宅建士の難易度は受験生のレベルで上下することになります。
過去11年分のデータを見ると、上位15%以内でも合格できなかったのは、(令和2年12月試験の)1度だけです。
安全に合格するためにも上位13%以内を目指すのが良さそうです。
難易度は上昇傾向
宅建の難易度は、毎年少しずつ上がっています。
受験生のレベルが上っているので、合格しにくくなっているのです。
これは資格の学校の講師陣も意見が一致してるところです。
この先どんどん難しくなる前に、早めに合格しておくことをおすすめします。
あまり不安をあおりたくないので、安心材料を一つそえると、難易度の上昇は"少しずつ"だということです。
急激に難しくなっているわけではないので安心してください。
問題も難しくなっている
受験生のレベルの上昇とあわせて、実は問題じたいも難しくなっています。
問題も難しくしないと、みんな高得点をとってしまい、合否の基準が決めにくくなってしまうからですね。
余裕があれば講座を受けるなどして、しっかりとした対策が必要です。
勉強時間
宅建士の合格に必要な勉強時間は300~400時間とされています。
これは誰にでも当てはまる時間としての表記なので、実際もっと短い人も多くいます。
私が合格した時は250時間でしたので、この数値はある程度参考にできると思います。
1日にどれくらいの勉強したら良いのか、表にまとめました。
仮に300時間勉強した場合で、1日に換算すると下記のとおりです。
1日の勉強時間 | 300時間到達には? |
1 時間 | 10か月 |
1.5 時間 | 6.7か月 |
2 時間 | 5か月 |
宅建を目指すのに5~10か月くらいが現実的なペースです。
勉強慣れしている人はもっと短い期間で合格を勝ち取るので、参考程度にとどめてください。
人気の国家資格と比較
資格 | 勉強時間 | 平均合格率 |
FP2級 | 60~120時間 | 35% |
宅建士 | 300~400時間 | 16% |
行政書士 | 500~800時間 | 10% |
社労士 | 800~1000時間 | 6% |
FPと比較
FP(ファイナンシャルプランナー)2級は資格の中でも特に人気が高く、活躍の場が広いことから比較されやすい資格です。
宅建士と相性が良いこともあり、両方持っている人もたくさんいます。(私もその一人です)
FPの難易度は宅建士ほどではありません。資格の価値も一般的にみて宅建士の方が高めです。
行政書士、社労士と比較
同じ法律系の資格として、行政書士、社労士(社会保険労務士)があります。
どちらも宅建士を超える勉強量と難易度です。
この2つは難しいですが、働ける場が宅建士ほど広くありません。
結論
宅建士は、不動産業界という大きな業界でありながら、勉強時間は長すぎないのが良いところです。
需要ある資格の中では、難易度はそれほど高くないといえそうです。
宅建士の合格率まとめ
今回のまとめ
- 平均合格率は16.3%
- 合格率は毎年安定している
- 難易度は高すぎないが上昇傾向
宅建士の合格率は比較的安定しているので、不安なく挑戦できます。
まれに13%くらいのときもあるので、なるべく上位に入る実力を身につけてくださいね。
宅建の問題は少しずつ難しくなっているのと、受験生のレベルも上がってきています。
勉強すれば誰でも取れる資格なので、興味をもったら早い段階で始めるのが良いと思います。