「簿記3級の合格率の推移を知りたい」
「難しくなってるの?」
このような疑問を解決します!
この記事でわかること
過去10回分の合格率の推移
簿記3級の難易度
学習方法
試験データをグラフにまとめました。
最近の傾向を読むことで、合格にぐっと近づきます。
ぜひ、一発合格を目指しましょう!
簿記3級の合格率の推移
過去10回分(約3年分)の試験データはこのとおりです。
スマホからだと画像が見づらいので、表も用意しました。
横スクロール対応
回 | 申込者 | 受験者 | 合格者 | 合格率 |
158回 2021年6月 |
58,070 | 49,313 | 14,252 | 28.9% |
157回 2021年2月 |
70,748 | 59,747 | 40,129 | 67.2% |
156回 2020年11月 |
77,064 | 64,655 | 30,654 | 47.4% |
155回 2020年6月 |
新型コロナウイルス感染症の影響により中止 | |||
154回 2020年2月 |
100,690 | 76,896 | 37,744 | 49.1% |
153回 2019年11月 |
99,820 | 80,130 | 34,519 | 43.1% |
152回 2019年6月 |
91,662 | 72,435 | 40,624 | 56.1% |
151回 2019年2月 |
104,357 | 80,360 | 44,302 | 55.1% |
150回 2018年11月 |
111,657 | 88,774 | 38,884 | 43.8% |
149回 2018年6月 |
101,173 | 79,421 | 35,189 | 44.3% |
過去10回分(約3年分)の試験データはこのとおりです。
試験の改正や変更によって、合格率は大きく変わります。
注目すべきはこの3つ
- 平均の合格率
- 重要な変更点
- 158回に起きた急落の理由
「簿記3級になにが起きているのか」
要点をしぼって解説します。
平均合格率は約50%
簿記3級は、長年にわたり合格率50%付近をずっと安定しています。
乱高下したのは157回と158回だけで、一時的なものと予測されています。
なぜかというと、各級の試験結果で「合格率のバランス」が見られるからです。
例えば
合格率が高かった次の回では低くなった
合格率が低かった次の回では高くなった
このようなことがよくあるからです。
今後も、合格率50%前後で推移するとみられています。
大きな変化のあった回に注目!
過去3年のうち、大きく変わったのは152回と158回です。
152回の改正:受験者に嬉しいメリット
改正点
- 対象範囲が、個人商店から小規模の株式会社に変更
- 2級で扱っていた内容を、3級レベルにして出題
- 実用性に乏しい論点の整理・削除
↓ 受験者にどんな影響が?
対象範囲の拡大で価値が高まった
今まで以上に、実用性のある資格になった
受験者にとっては、嬉しい改正です。
今までは、簿記3級というと個人商店が対象だったため、価値も実用性もやや低めでした。
改正によって、アピールのしやすい資格に変わりつつあります。
158回の変更点:まさかの大胆な変更
変更点
- 試験時間の短縮 2時間→1時間
- 大問の変更 5つ→最大3つ
大問の変更とは、第1問の仕訳問題が今まで5問だったところ、15問に変更されました。
試験時間も短くなったことで、スピードを意識する必要が出てきました。
ただ、必ずしも急いで解かないといけないわけではありません。
理解が甘いと出遅れますが、ちゃんと理解していれば、通常スピードでも対応できる試験です。
なぜ158回(2021年6月試験)の合格率が急落したのか
157回(2021年2月)の合格率は、近年では珍しい67.2%の高い合格率がありました。
しかし、158回(2021年6月)の合格率は、28.9%に急落!
これまで簿記3級は、50%付近を安定していたため、この乱高下で業界が激震しました。
急落の理由
- 難しい問題が出題された
- 試験時間の短縮 2時間→1時間
158回では、試験問題が急に難しくなりました。
大問2を丸々落とす人が続出したのです。
さらに、試験時間が短くなったことで、じっくり解けない受験者であふれる結果となりました。
おおかたの予測
「前回、合格者が多かったことから、今回は試験を難しくした」
という意見が多いようです。
しかし、予想以上に難しくしすぎて、合格率が激減したものと思われます。

簿記3級の難易度はどれくらい?

簿記3級は、完全初心者から始められる階級です。
「これはいったいどれくらい難しいの?」
という疑問にお答えします。
簿記3級の勉強時間
標準学習目安 50~70時間 1~2か月
簿記の中では簡単な階級ですが、しっかりと勉強をしないと合格できない資格です。
勉強量の目安は、テキスト・問題集など合わせて3~4冊ほど終わらせる勉強量になります。
「合格した人たちは実際、何時間勉強しているの?」
と、気になる方は別記事にしているので、こちらをご覧ください。
≫ 簿記3級・2級に合格した55人の勉強時間を集計!短縮方法は?
他の資格と比較してみる

ビジネス系の資格でよく比較されるのが、ファイナンシャルプランナー(通称:FP)です。
簿記3級は、FP3級よりも難しく、2級よりは簡単です。
勉強時間も難易度が難しくなるほど増えていきます。
身近な資格といえば、英検です。
英検3級~準2級の間くらいの難易度になります。
中学生レベルの英語よりは難しく、高校生レベルの英語よりは簡単といったところでしょう。
難易度は、なんとなくイメージをつかんでもらえればOKです。
試験が難しくなる傾向がある?
答えはノーです。
簿記の試験を主催している日本商工会議所の公式サイトに、このように書かれています。
各級のレベル(程度・能力)の水準は変更していません。
日本商工会議所のQ&Aより抜粋
試験のレベルを変更したり、合格率の水準を変えることがあれば、公表されます。
今のところ、試験の改定や変更点はあっても、難易度を変更するつもりはないようです。
今後も簿記3級の合格率は、約50%を推移するものとみてよさそうです。
簿記3級は独学できる?
独学できます。
ですが、最近はやや雲行きが怪しくなってきました。
理由は、改正・変更があったからです。
改正や変更があった後の合格率はしばらく安定しません。
試験対策が難しいからです。
資格の学校でさえ対応に苦労するのに、独学はもっと難しくなるのは言うまでもありません。
市販の予想問題集を買おうにも、各出版社で予想の乱れうち状態というわけです。
そこで、資格の学校の出番です。
資格の学校なら、試験団体から情報が受け取れる立場にあります。
最新の傾向と対策をしっかりと立てて、解き方を教えてくれるので安心して受講できます。
とはいえ、簿記3級は独学が絶対にできないわけではありません。
合格する人もちゃんといます。
私が伝えたいことは、合格率が安定しない中で合格の精度を上げたいなら、講座で学ぶのが正攻法ということです。
≫ 簿記3級の独学「難しい→簡単」に変えるたった一つの方法とは?
簿記3級の合格基準は70点
100点満点のうち、70点以上で合格です。
試験時間は60分でおこなわれます。
問題の難易度によって合格率が左右されるので、簡単な回にあたれば合格率も上がります。
極端な話、受験者全員が70点以上なら全員合格になる採点方法です。
簿記3級の学習方法
簿記3級は、50~70時間で合格する人が多いというデータがあります。
どのように勉強を進めたら良いの?という疑問にお答えします。
勉強時間の配分
インプット:テキストを読む、講義を受ける
アウトプット:問題を解く
インプットとアウトプットの時間配分は[1:3]のイメージで進めてください。
60時間勉強するなら[インプット15時間:アウトプット45時間]です。
アウトプットが多い理由は、記憶の定着と、問題のバリエーションに対応することです。
勉強の序盤では、インプットとアウトプットを交互におこなうケースもあります。
具体的な勉強ステップは、このあと解説します。
勉強のステップ
簿記を完全初心者から始める方へ。
3級合格までの勉強方法を4つのステップにしました。
step
1基礎学習でインプット
使う教材
- 基本テキストを読む
- 講義動画を視聴する
序盤のインプット学習は、教材を信じて勉強を進めることです。
教材によっては、問題集とセットで進めていくものもあります。
「どんなときに使うのか」を意識して進めることで、全体の流れが理解しやすくなります。
序盤は簿記の新鮮さを感じつつ、問題集が解けるレベルまで上達させてください。
step
2問題集でアウトプット
使う教材
- 基本問題集
基礎的なインプットが終わったあとは、ひたすらアウトプットでレベルアップの段階です。
問題集に手をつけた直後というのは、まだ基礎の理解が足りないところがあるはずです。
つまづくところは、基本テキストで確認をしつつ進めることになります。
問題集を1冊終えれば実力がだいぶついている状態になります。
step
3実力チェック
使う教材
- 過去問題集
- 模試
本試験レベルの問題に挑戦です。
具体的には、過去問題集や模試で実力をチェックします。
安定して70点以上だせれば、本試験で十分戦えます。
もし実力が足りないときは、次のステップで最後です。
step
4実力アップ
使う教材
- 予想問題集
- 直前対策問題
さらに実力をアップさせたいときに使いたいのが、予想問題集や直前対策問題です。
出版社や資格スクールが、本気で予想して作る本試験対策の問題です。
解説がしっかり付いてくるので、苦手克服にも使えます。
資格スクールの模試は、全国順位が出るので実力がハッキリとわかります。
本試験レベルの問題を解いて合格に向けて頑張りましょう。
最新の教材を使うこと
簿記を勉強するときは、必ず最新の教材を使うようにしてください。
古い教材では、改正や変更に対応できていないためです。
資格の中には、中古の教材でも十分使えるものもあります。
ですが、簿記は小さな変更をよくしてくるタイプの試験です。
試験の回が変わると傾向もガラッと変わるので、常に最新の教材を用意することをおすすめします。
よくあるのが、落ちてしまったときに教材を買い替えるかの判断です。
せっかく買った教材をすべて買い替えるなんてモッタイナイことをしたくないですよね?
買い替えの判断は、実力で変わってきます。
基礎が身についているなら基礎テキストは買い替えなくても大丈夫です。
問題を中心に進めることになるので、基礎を振り返ることがあまりないからです。
そのかわり、問題集などのアウトプット教材は買い替えをおすすめします。
直近の傾向をおさえた教材で得点をアップさせたいからです。
このように基礎ができているかどうかで判断をすると、ムダな出費をおさえられます。
資格スクールの場合、「返金保証」や「再受講割引」など、各社サポートが用意されています。
そのため、教材の買い替えはあまり悩まなくて済みます。
見逃したら大損!?最新情報のつかみ方
簿記の試験は細かい変更があるので、常に最新情報を得るようにしてください。
具体的には、「改正点や変更点が最新にアップデートされている教材を使ってほしい」ということです。
古い情報のまま試験に挑戦して得点を逃す…。なんてことはないようにしてくださいね。
最新情報のつかみ方は3つあります。
最新情報のつかみ方① 公式ページ
日商簿記を受験するなら、日本商工会議所のページです。
ですが、公式ページには重大な難点があります。
それは、難しく書かれていて、初心者にはわかりづらいことです。
正直なところ、ちくいちチェックしませんよね?
もっと簡単な方法があります。
最新情報のつかみ方② 市販のテキスト
独学をする人なら市販のテキストを買いますよね。
親切な本なら最初か末尾に載せてくれています。
ですが、市販のテキストにも難点があります。
文章だけだと読みにくい
変更点の重要度がわかりにくい
極端な話、本は売れさえすれば良いので、購入者の合否は重要視されていません。
独学のちょっとした難点ということです。
最新情報のつかみ方③ 講座を受講する
試験の最新動向を追うのに、一番わかりやすく簡単な方法が、講座を受講することです。
講座なら合格をサポートしてくれるので、常に最新情報を提供してくれます。
例えば、試験の傾向に変化が見られたとき、問題の重要度が高いところ・低いところをハッキリと教えてくれます。
独学に比べてお金はかかってしまいますが、講座は何もしなくても最新情報を教えてもらえます。
自分から情報をつかみにいかなくて済むので、受講生はラクです。
このような細かいところもキッチリ対応してくれるのが講座のメリットです。
以上が最新情報をつかむ3つの方法でした。
簿記を受験するなら、常に最新版で挑戦してくださいね。
まとめ:最新の試験対策を!
今回のまとめ
- 簿記3級の合格率は約50%
- 合格基準点は70点
- 最新の試験対策を!
簿記3級の合格率は約50%で推移していることがわかりました。
ですが、直近の試験は改正と変更により、合格率が大きく乱れています。
合格率が乱高下している中でも、確実に合格できる実力はつけたいものです。
簿記の講座を受講すれば、どんな問題にも対応できる実力が身につきます。
最新の試験対策で挑戦してください。