



本記事の内容
- 簿記は誰のため?
- 簿記は何のため?
- 簿記の考え方と役割
ちょっと細かいですが、この記事は〝経理〟ではなく〝簿記〟について書いています。
これから簿記を学ぶ人にとって、簿記の重要性が理解できるようになる内容です。
簿記は誰のため?


①自社のため
簿記は第一に自社のためです。
仕事の規模が大きくなればなるほどお金出入りが多くなったり複雑になります。
なので
- 業績を知る
- 日々の資金を管理する
- 銀行からお金を借りる
これらのために簿記(帳簿やデータ)が使われます。
すべて自社のためになることで、特に銀行からお金を借りられれば大きな仕事ができるようになります。
銀行から会社の可能性を判断してもらうためにも日々の取引を正確に記録しておかなければなりません。
②税金のため
この国で仕事をするためにも避けては通れないのが税金です。
会社で支払う主な税金は
- 消費税
- 法人税
が一般的ですね。
会社は商品を売ることで、消費者から消費税を一時的に預かります。そのお金を国に支払うことで納税されています。
そのため不正な取引や間違った取引を記録してしまうと会社は罪や罰を受けることになります。
そうならないためにも簿記は誠実に記録しなければいけません。
③株主(投資家)のため
一番なじみのないのが株主のためですね。
商店の場合、株主はいませんが株式会社で有名な会社は上場しているケースがあります。
世の中のルールとして、お金を出す人が立場が上なケースが多いですよね。
その人たちのために業績を公開する必要があります。
判断を誤らせないためにも正しい取引を記録することが求められます。
ざっくり用語解説
株主とは・・・会社のためにお金を出した人
上場とは・・・証券会社を通して株式が売買できること
簿記は誰のため?のまとめ
①自社のため
②税金のため
③株主(投資家)ため
簿記はとても重要な役割を持っている!
簿記は何のため?




業績を見やすくする
簿記の役目の一つに、事業の成績をみやすくすることがあげられます。
例えば、パン屋を開業して1年販売したとします。
これだと大きなものを買うたびに赤字になってしまい毎年業績がデコボコしてしまいます。
なにより、事業がうまくいっているのか判断できません。
簿記の考え方は違います!
このように業績を1年ごとに見やすくするのが簿記の考え方です。
今回のように利益が出ていれば、銀行でお金を借りるときも好意的に判断してもらいやすくなります。
ポイント
図のように費用を分割することを『減価償却』(げんかしょうきゃく)といいます。
3級で教わる内容なのでここで覚えちゃいましょう!
業績をデータ分析できる
会社の業績をデータ分析するのも簿記の得意分野です。
簿記は1つ1つの取引を仕訳(しわけ)と言って会計ソフトに入力します。
まとまった項目ごとに分類できるので、ソフトをちょっと操作するだけで簡単に業績を見ることができます。
一般的には1か月単位や1年単位で見ることが多いです。
どの月が良かったのか、どこにお金をたくさん使ってしまったのか。
そのような分析ができるのが簿記の強みです。
原価計算ができる
※日商簿記2級の内容です。
原価計算といって製品製造の原価を計算することができます。
簡単にいうと、『商品を作るのにいくらかかったか』です。
車を例にすると
- 失敗作がいくつかできてしまった
- 月間をまたいで製造中
このように失敗作や製造途中の車を考慮して、製造原価の計算ができます。
まとめ:簿記の考え方と役割
- 簿記の考え方
⇒会社の成績を月間、年間単位にととのえて見やすいものにすること - 役割
⇒金銭の把握とデータ分析
こんなふうに思ってもらえればオーケーです。
取引記録を1つ1つデータにしていく簿記は、一言で言えば「取引記録のプロフェッショナル」です。
データを細かく見ることも、まとめることも得意です。
簿記は専門知識ですから会社にとって大きな力になる存在だということがわかっていただけたと思います。